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【理学療法士1年目】バイタルサイン・リスク管理の基準値まとめ|中止基準と報告の型

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リハビリ中に患者さんの血圧が急に下がったり、SpO2が落ちたりして、頭が真っ白になったことはありませんか。

  • バイタルが基準値を少し超えたとき、リハビリを続けていいか迷う
  • 患者さんの急変やバイタル変動が起きると、どうしていいかわからず焦る
  • 看護師さんへ報告するときに「怒られるんじゃないか」とヒヤヒヤする

私自身、1年目のころは臨床でのバイタル変動に直面するたびにかなり焦っていました。

患者さんの体調への不安だけでなく、「こんなことで報告して看護師さんに怒られないかな」とビクビクしていたのを覚えています。

しかし、15年以上の臨床経験を通じて確信していることがあります。

リスク管理でいちばん危険なのは、「数値の基準だけで判断し、新人1人で勝手にリハビリを進めてしまうこと」です。

ガイドラインの基準値はあくまで「考えるための土台」にすぎません。

「数値(客観)」と「患者さんの訴え(主観)」をセットで捉え、医師や看護師とチームで判断する型を身につけましょう。

この記事で分かること
  • リハビリ中止基準(開始前・運動中・一時中断)の数値目安と正しい使い方
  • 「数値だけに踊らされるリスク管理」から抜け出す2つの視点
  • 起立性低血圧やSpO2低下が起きたときの初期対応ステップ
  • 看護師さんへ焦らず1分で相談できる「SBAR報告テンプレート」
目次

【結論】リハビリ中止基準の数値は「土台」であり、1人で判断せずチームで決める

新人のリスク管理で最初に押さえておきたいのは、「ガイドラインの基準値」と「その数値を臨床でどう使うか」の2点です。

まず押さえるべき「リハビリ中止基準(開始前・運動中・一時中断)」の目安

日本リハビリテーション医学会の『安全管理・推進のためのガイドライン』では、中止基準を「開始前」「運動中」「一時中断」の3段階に分けています。

まずはこの基準値をポケットメモに入れておき、「いつもと違う変化がないか」をキャッチするセンサーとして使いましょう。

ガイドラインの数値は「絶対の正解」ではなく、異常に気づいて立ち止まるための「共通のモノサシ」です。

基準値を少し超えたときは「自分の判断だけで進めない」のが鉄則

臨床でいちばん迷うのが、「収縮期血圧が普段より少し高い」「脈拍が110回/分ある」といったグレーゾーンの場面です。

このとき、新人1人の判断で「たぶん大丈夫だろう」と離床を進めたり、逆に無断でリハビリをやめたりしてはいけません。

ガイドラインの基準値をもとに考えつつ、実際の臨床ではその情報を医師や看護師に伝えて「総合的に判断すること」が何より重要です。

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「迷ったら病棟の看護師さんと一緒に考える」と決めておくだけで、1人で抱え込むプレッシャーはなくなります。

新人がリスク管理で陥りやすい「数値だけに踊らされる」2つの落とし穴

血圧計やパルスオキシメーターの数字だけを見ていると、患者さんの本当のサインを見落としてしまいます。

「数値に踊らされるリスク管理」から抜け出すための2つの視点を整理します。

落とし穴①|客観的な「数値」だけを見て、患者さんの「主観(訴え・表情)」を見落とす

新人のうちは「血圧が120/70mmHgだから正常」「SpO2が96%だから問題ない」と、機械の数値だけで安心しがちです。

しかし、数値はあくまで数値でしかありません。

たとえば数値が基準内でも、「なんとなく生あくびが出る」「視線が合いにくい」「本人が『今日は頭が重い』と言う」なら、それは重要な危険サインです。

逆に、普段から収縮期血圧が160mmHg前後の患者さんなら、165mmHgでも自覚症状がなければ慎重に離床できるケースもあります。

リスク管理では、「普段の数値からの変化幅(客観)」と「患者さんの表情・しんどさ(主観)」を必ずセットで確認してください。

落とし穴②|血圧や脈拍の「点」だけを見て、内科的な全体像を見ようとしない

バイタルが変動した理由を考えるには、本来は「内科的な知識(心機能・腎機能・貧血・脱水・内服薬など)」が必要です。

なぜなら、同じ「血圧低下」でも、降圧薬が効きすぎているのか、食事量が減って脱水気味なのかで対応が変わるからです。

もちろん、こうした内科的な知識は1年目で直ぐに身につくものではないため、最初から完璧にわかる必要はありません。

ですが、「目の前の数値だけでなく、時間がかかってもカルテで患者さんの全体像を見ようとすること」が、セラピストとして成長するいちばんの近道です。

臨床でよく遭遇する「起立性低血圧・SpO2低下」の初期対応ステップ

実際にベッドサイドや訓練室でバイタル変動が起きたとき、焦らず動けるよう初期対応の手順を決めておきましょう。

離床時に血圧が下がった・ふらついたとき(起立性低血圧)の対応

ギャッジアップや端座位・立位をとったときに、収縮期血圧が20mmHg以上低下したり、めまい・冷や汗が出たりする状態が起立性低血圧です。

無理に座位を続けさせると失神や転倒につながるため、まずは頭を低くして寝かせ(臥位へ戻し)、3〜5分後にバイタルと症状が戻るかを確認します。

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患者さんを1人にしてナースステーションへ走るのではなく、その場で安全を確保してから応援を呼んでください。

歩行や運動中にSpO2・脈拍が変動したときの確認ポイント

運動中にSpO2が90%以下へ落ちたり、脈拍が急上昇したりしたときも、まずは椅子やベッドへ座らせて休息をとります。

同時に、「息苦しさや胸の痛みはないか(主観)」と「安静にして2〜3分で元の数値へ戻るか(回復時間)」を必ずセットで観察してください。

また、指先が冷えているとパルスオキシメーターの数値が低く出ることがあるため、波形の乱れや指先の冷感もあわせて確認しましょう。

運動前後のバイタル変化と「何分休んで回復したか」をカルテ(SOAP)へ素早く残す型は、こちらの記事で解説しています。

怒られない・焦らない!看護師へ相談するときの「SBAR報告テンプレート」

バイタルが変動したときに「看護師さんへ報告して怒られたらどうしよう」という不安をなくすには、日頃の関わり方と「報告の型」が役立ちます。

いきなり完璧な報告より「日頃の病棟コミュニケーション」が土台になる

チーム(他職種)でリスク管理をするうえで、いちばん効くのは小手先のテクニックよりも「日々の病棟でのコミュニケーション」です。

リハビリに入る前に「今から〇〇さんのリハビリに入りますね、今日の体調はいかがですか?」と担当看護師へひと声かける習慣をつけましょう。

開始前に顔見知りになっておけば、リハビリ中に変化があったときも「先ほどの〇〇さんですが…」と驚くほどスムーズに相談できます。

そのまま使える!看護師に1分で伝わる「SBAR」4行テンプレート

報告するときに話が長くなると「結局どういうこと?」と聞かれて焦ってしまいます。

医療安全の共通ルールである「SBAR(エスバー)」の4行に当てはめて、結論から伝えましょう。

【メモ帳コピペ用】SBAR報告の4行穴埋め型
  • S(状況・結論):「〇〇さんのリハビリ中、【症状・数値変化】があったため、現在は【臥位・座位安静】にしています。」
  • B(前後の変化):「開始前は【開始前バイタル】でしたが、【動作場面】で【変化後バイタル】となり、【安静〇分後】現在は【現バイタル】です。」
  • A(自分の懸念):「本人は【主観的訴え】と話しており、【起立性低血圧・心負荷など】の可能性があると考えています。」
  • R(相談・依頼):「本日のリハビリはこのまま中止(または軽負荷へ変更)しようと思いますが、一度状態をご確認いただけますでしょうか?」

患者さんの安全を守るための報告で怒る看護師さんはいませんので、自信がなくてもこの順番で早めに共有してください。

理学療法士1年目のバイタル・リスク管理でよくある質問(FAQ)

普段から血圧が高い患者さんが「開始前190mmHg」だった場合、すぐ中止すべきですか?

1人で即中止と決めつけず、「普段の血圧トレンド」と「頭痛・めまい等の自覚症状」を確認したうえで、担当看護師や医師へ相談してください。

直近数日のカルテを見て「普段は150mmHg台なのに今日だけ190mmHgなのか」「医師から血圧上限の個別指示(Dr指示)が出ているか」を確認し、ベッドサイドの愛護的な関節可動域運動にとどめるかどうかも含めてチームで判断します。

内科的な検査データや薬の知識がまだ追いつかないのですが、まず何から見ればいいですか?

最初はすべてを暗記しようとせず、担当患者さんの「過去3日間のバイタル推移」「水分・食事摂取量」「最近変わった薬(降圧薬・利尿薬など)」の3点だけカルテで見る習慣をつけましょう。

「昨日から食事が半分しか摂れていないから、今日は離床で血圧が下がりやすいかもしれない」と予測できるようになるだけでも、リスク管理の質は大きく変わります。

バイタル変動があったとき、先輩PTと担当看護師のどちらに先に報告すべきですか?

患者さんの体調変化や安全に関わることは、まず「担当看護師」へ速やかに報告・共有するのが最優先です。

緊急性が高い場合はその場のナースコールで看護師を呼び、落ち着いたケースでも先に担当看護師へSBARで共有してから、指導者(バイザー)へ経緯と対応を報告しましょう。

まとめ|リスク管理は「数値+患者さんの声」を持ってチームに相談すること

新人PTがバイタルサインとリスク管理で迷わないための4つの原則を振り返ります。

まずは明日、リハビリに入る前の30秒で「直近3日間のバイタル推移」を確認し、病棟の看護師さんへ「今から〇〇さんのリハビリに入りますね」とひと声かけることから始めてみてください。

1人で抱え込まず、患者さんの全体像をチームで共有する姿勢があれば、臨床でのリスク管理は必ずあなたの強みになっていきます。

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この記事を書いた人

理学療法士として臨床に携わりながら、後輩指導やチーム運営も行っています。PT Labでは、新人PT・若手PTに向けて、臨床推論、勉強法、キャリア形成、転職の考え方を発信。現場で迷いやすいテーマを、実務目線で分かりやすく整理しています。

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