あなたは今、臨床での不安を解消するために、「おすすめの勉強会」を検索していませんか?
高額な受講料を払い、貴重な週末を潰して参加したのに、
「翌日の臨床が何も変わらない」 「すごい手技を見たはずなのに、自分の患者さんには使えない」
そんな焦りを感じていないでしょうか。
その原因は、あなたの努力不足や才能の欠如ではありません。
あなたが「勉強会の本質的な選び方」を知らず、“おすすめ”という名の罠にハマっているだけです。
この記事では、「おすすめ勉強会リスト」は一切紹介しません。
その代わり、管理職PTの視点から、「なぜ、多くの勉強会は臨床で使えないのか」という残酷な現実と、あなたのお金と時間を守り、確実に臨床を変えるための「失敗しない選び方の基準」をお伝えします。
あなたはもう「何を受ければいいか分からない」と迷うことはなくなります。
「インプット中毒」を抜け出し、あなたの臨床を変えるための最初の一歩を踏み出しましょう。
- 「おすすめ」の勉強会に行っても臨床が変わらない“本当の理由”がわかります
- 講師の「権威性」や「手技の実演」に騙されない、“本質的”な見抜き方が身につきます
- オンラインとオフライン、今のあなたに“本当に必要な”形式が判断できます
- 勉強会(インプット)を臨床(アウトプット)に変えるための“考え方”が手に入ります
なぜ勉強会に行っても“臨床”で使えないのか?

週末、安くはない参加費を払い、丸一日かけて勉強会に参加したあなた。

あれ? 講師の先生がやった時はあんなに変化が出たのに、自分がやると何も変わらない…
この「インプット中毒」から抜け出せない原因は、あなたの努力不足ではありません。
臨床が変わらないPTには、決定的な2つの「思考の欠陥」があります。
「参加しただけ」で満足する“お客様目線”


一つ目の原因は、あなたが勉強会を「魔法を教えてもらう場所」と捉え、「お客様目線」で参加していることです。
学習の定着率を示す「ラーニングピラミッド」 の理論において、講義を聞くや実技を見る、といった「受動的な学習」は、脳にほとんど定着しないことが証明されています。
「お金を払ったのだから教えてもらって当然」というスタンスでは、あなたの脳は情報を「知識」として処理しても、現場で使える「技術」には変換しません。
例えば、あなたが「〇〇アプローチ」のセミナーに参加したとします。
- NGな人(お客様目線):
- 講師のデモを見て「すごい!」と感動し、メモを取って満足して帰る。
→ 月曜日、手の動かし方だけをマネし全ての根源は「勉強法」の“軸”の欠如にあるて失敗する。
- 講師のデモを見て「すごい!」と感動し、メモを取って満足して帰る。
- OKな人(能動的):
- 講師を捕まえて「なぜその力加減なのか」を質問し、実技練習で冷や汗をかきながら失敗し、その場で修正を受ける。
→ 月曜日、その「感覚」を再現できる。
- 講師を捕まえて「なぜその力加減なのか」を質問し、実技練習で冷や汗をかきながら失敗し、その場で修正を受ける。



重要なのは、「どんな勉強会を受講したか」ではなく、「あなたが“汗をかいて”何を持ち帰ったか」というアウトプットの結果です。
お客様目線を捨てない限り、どんな「おすすめ勉強会」に行っても、あなたは搾取されるだけのカモで終わり続けます。
「手技(テクニック)」ばかりを追い求める“思考停止”


これが最も深刻ですが、「How(やり方)」ばかりを求めて、「Why(なぜ)」という“臨床推論”を無視していることです。
なぜなら、臨床現場の患者さんは、教科書通りの反応を示さないからです。
「手技」はあくまで道具に過ぎません。
「なぜ、今、その道具を使うべきなのか」という診断・推論がなければ、道具は凶器にもなり得ます。
- NGな人(思考停止):
- 「仙腸関節をどう動かすか」ばかりメモする。
- OKな人(臨床推論):
- なぜ、この患者の痛みの原因が仙腸関節だと仮説を立てたのか?という“講師の頭の中”を盗む。
講師が魔法のように治せるのは、手技(How)がすごいからではなく、この臨床推論(Why)が完璧だからです。
全ての根源は「勉強法」の“軸”の欠如にある


「勉強会に行っても変わらない」という悩みの根本原因は、勉強会の質ではなく、「学習の軸(=基礎知識と推論力)」がないことです。
基礎という土台がない状態で、応用という屋根を乗せても、家はすぐに崩れ去るからです。
もしあなたが今、「勉強についていけない」と感じているなら、それは「既存の知識」が繋がっていないだけです。
まずは自分の学習の軸を作り直してください。
新人PTがこの負のループを断ち切るための「本質的な学習戦略」を、以下の記事で徹底的に解説しています。
お金と時間を無駄にする「臨床で使えない勉強会」の見抜き方


「臨床が変わらない」と悩むあなたが、今すぐ選ぶべき勉強会。
それは「有名な先生」がいる場所でも、華麗な「魔法のような手技」が見られる場所でもありません。
「講師の“脳内(臨床推論)”を、再現可能な形で言語化してくれる勉強会」 👈️これ一択です。
これ以外の基準で選ぶと、自分の承認欲求を満たすための勉強会にお金を払うことになります。
なぜそう言えるのか、「3つの見抜き方」を解説します。
「講師の権威性」だけで選ぶな
講師の「肩書き」や「ゴッドハンド」という評判で選ぶのをやめてください。
選ぶべきは、「思考プロセス」を指導してくれる講師です。
なぜなら、「名選手が名監督とは限らない」からです。
治療している天才の技術は、その人にしかできません。



誰でも再現できる「論理」をしっかりと指導してくれる勉強会を探してみましょう。
- 【成功する選び方】
-
- 「論理の人」を選ぶ
- 「なぜその治療に至ったか(臨床推論)」を言語化している講師を選ぶ。
論理さえ分かれば、凡人でも必ず再現できる。
- 「なぜその治療に至ったか(臨床推論)」を言語化している講師を選ぶ。
- 「論理の人」を選ぶ
- 【臨床で使えるかどうかの境界線】
-
- 本質的勉強会
- 「なぜ腰痛の原因が股関節だと仮定できるか?」というプロセス(Why)を教える。
→ どんな患者さんが来ても応用が効く。
- 「なぜ腰痛の原因が股関節だと仮定できるか?」というプロセス(Why)を教える。
- 本質的勉強会
「手技(テクニック)」の実演だけで満足するな
まず講義内容を確認してください。
全体の時間の5割以上を「評価」の解説に割いていない勉強会は、何かを得た気になってしまいがちです。



「評価」のない治療は、臨床では使い物になりません。
臨床現場であなたが困るのは、「どう治すか(手技)」の前に、「どこを治すべきか(評価)」が分からないことのはずです。
「オンライン」と「オフライン」を使い分けろ


「安いからオンライン」「有名だからオフライン」で選ぶのは間違いです。



「知識」は画面で、「技術」は肌で学んでください。
学ぶ対象によって「最適な媒体」は異なります。
ここを間違えると、時間とお金の浪費になります。
- 【目的別:正しい媒体の選び方】
-
- 知識(インプット) ⇒ オンライン・本
- 内容: 解剖学、運動学、画像の読影など。
- 理由: わざわざ週末に移動時間をかけて会場に行く必要なし。動画や本で十分。
- 技術(アウトプット) ⇒ オフライン(対面)
- 内容: 触診の圧、介助の誘導方向、関節操作の感覚。
- 理由: これだけは動画では絶対に伝わらない。「触れられる体験」にだけお金を払うべき。
- 知識(インプット) ⇒ オンライン・本
新人PTであるあなたがまず固めるべき「基礎知識」は、実は高額な勉強会に行かなくとも、手元のスマホや本で十分に手に入るのです。
本質は「本」と「臨床」で学べ
管理職PTとして断言します。
あなたが「臨床を変えたい」と本気で願うなら、高額な「おすすめ勉強会」への課金は一旦ストップしてください。
最短で臨床力を上げるための本質は、勉強会の会場ではなく、以下の2つの場所にしかありません。
- 良質な「本」
- 目の前の「臨床(現場)」
なぜそう言えるのか、その理由を解説します。
「勉強会」の前に、まず「本」を読め


1万円の勉強会に行く前に、その1万円で「良質な医学書(専門書)」を2冊買うことから始めてください。
なぜなら、勉強会は「本」の焼き直しであり、「体系」が学べないからです。
多くの勉強会で語られる内容は、「名著」と呼ばれる医学書に書かれていることの「要約」や「断片」に過ぎません。
- 【本の価値 vs セミナーの価値】
-
- 📘 本の価値:
- 体系性: 「点」ではなく「線」で知識を繋げられる。
- 再現性: 分からない時にいつでも立ち返れる。
- コスト: 1回のセミナー代で、知識の土台となる良書を複数冊購入可能。
- 🚨 勉強会の罠:
- 土台がないと、講師の言う解剖学的な用語や理論が理解できず、結局「手技の形」だけを覚えて帰ることにしかならない。
- 📘 本の価値:
私の経験に基づき、「これだけは読んでおけ」と断言できるバイブルを厳選しました。
最強のアウトプットは「目の前の患者」と「職場の先輩」
学んだ知識を技術に変える場所は、週末のセミナー会場ではなく、「臨床現場」です。
なぜなら、最も学習定着率の高い「アウトプット」の場だからです。
セミナー会場で「健常な理学療法士同士」で練習するのと、「痛みを抱えた実際の患者さん」に触れるのとでは、得られる経験値の質が天と地ほど違います。
私が推奨する、最強の学習サイクルは以下の通りです。
担当患者の悩みについて、本を読んで「仮説」を立てる。
翌日、その仮説に基づいて実際の患者さんに評価・治療を行う。
うまくいかなかった点を、その日のうちに職場の先輩や上司に相談する。
この「現場でのPDCAサイクル」こそが、どんな高額な勉強会よりも早く、確実にあなたの腕を上げます。
職場をただの「労働の場」と思わないでください。
職場は、先輩という「講師」がいて、患者さんという「課題」がある、最高の勉強環境なのです。
「勉強についていけない」と感じた時に、どう立ち直り、どう前に進むべきか。その「壁の乗り越え方」を知っておいてください。
まとめ
ここまで、管理職PTの視点から「おすすめ勉強会の罠」と「本質的な選び方」について解説してきました。
最後に、この記事の重要ポイントをまとめます。
- 「おすすめ」に飛びつくな
- 思考停止で選んだ勉強会は、エンタメにお金を払うのと同じです。
- 「手技」より「思考」を盗め
- 臨床で使えるのは、講師の手の動きではなく、その背後にある「臨床推論(Why)」です。
- 「本」と「現場」が最強
- 基礎知識(本)と実戦経験(現場)が、あなたの臨床を変えます。
勉強会は決して「悪」ではありません。
しかし、それはあなたが「自分の軸」を持った上で、さらに知見を広げるために行く場所です。
「楽をして答えをもらおう」というマインドで参加しているうちは、あなたの臨床は一生変わりません。
まずは、手元の「本」を開きましょう。
そして明日、目の前の患者さんに、その知識を一つでもいいから「アウトプット」してください。
その泥臭い一歩が、あなたを「治せるセラピスト」へと近づけます。




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