PTLab運営「最後に、何か質問はありますか?」
面接の終盤、この一言を聞かれたとき、「あ、特にありません……」と答えてしまっていませんか?
その瞬間、あなたの採用確率は限りなくゼロに近づきます。
多くの理学療法士は、ネット上の「想定質問集」を暗記して面接に挑みますが、それは大きな間違いです。
なぜなら、採用担当者が見ているのは、あなたの「記憶力」ではなく、「臨床家としての対話力」だからです。
私は採用担当として数多くのPTを見てきましたが、実は「最初の3分」と「最後の逆質問」で、合否のほとんどを決めています。


この記事では、一般的な転職サイトには載っていない「面接官の裏の採点基準」と、自分を即戦力に見せる「起死回生の逆質問」を、実例付きで解説します。
これを読めば、あなたの面接は自信を持って自分を売り込む「絶好のプレゼンの場」へと変わります。
準備なき面接は、評価なきリハビリと同じです。
今すぐ「合格するための武器」を手に入れましょう。
- 採用担当者が面接中にチェックしている「裏の評価シート」
- 「えーっと…」と黙り込む前に知っておきたい、即不採用になるNG回答
- あなたの評価を劇的に上げる「攻めの逆質問」と「守りの逆質問」(例文あり)
- 面接を「ただの会話」に変え、緊張せずに実力を出し切るための思考法
面接官はココを見る!採用基準は「臨床能力」と同じである
多くの転職希望者は、面接を「テスト」だと思っています。
だからこそ、「正解」を暗記しようと必死になります。
しかし、採用担当者(特に現場の管理職)は、あなたが暗記した立派な文章には1ミリも興味がありません。
私たちが面接で見ているのは、 「この人を明日から現場に出して、患者さんを任せても大丈夫か?」
これだけです。
面接におけるあなたの振る舞いは、そのまま臨床における患者さんへの態度として評価されています。
「立派な志望動機」より「会話のキャッチボール」


面接で最も評価を下げる行動は「聞かれたことに答えず、用意した長文を一方的に話すこと」です。
- たとえば、

PTLab運営

「前の職場での役割は?」



「はい!私は前の職場で〇〇を学び、〇〇という理念に共感し……」
- 面接官の質問の意図を汲み取れているか?
- 結論から簡潔に答えているか?(PREP法)
- 相手の反応を見て、話すスピードや長さを調整できているか?
私たちは面接を通して、あなたの「問診能力」を見ています。
暗記したセリフを捨て、目の前の面接官と「会話のキャッチボール」をしてください。
それができる人こそが、臨床でも信頼されるPTです。
第一印象で「リスク管理能力」がバレる


「人は見た目が9割」と言われますが、理学療法士の面接において、身だしなみは単なるマナーではありません。
「医療安全(リスク管理)」そのものです。
- 髪型:
- 介助動作の邪魔にならないか?(清潔感があっても、前髪が目にかかるならNG)
- 爪:
- 患者さんの肌を傷つけない長さか?
- スーツの着こなし:
- だらしなさがないか?(服装の乱れは、点滴ライン管理の甘さや、ベッド柵の閉め忘れに直結します)
- 挨拶と目線:
- 認知症の患者さん相手でも、しっかりと目を見てコンタクトが取れるか?
「スーツなんて臨床に関係ない」と思っているなら、その考えは今すぐ捨ててください。
自分の身だしなみ一つ管理できない人間に、他人の命を預けることはできません。
「落ちる人」がやりがちな3つの失敗回答
面接は減点方式ではありませんが、「一発アウト」の地雷は存在します。
どれだけ素晴らしい経歴を持っていても、以下の3つのような受け答えをした瞬間、採用担当者の心のシャッターは閉じられます。


これらの行動はすべて、臨床における「患者さんへの配慮不足」や「準備不足」とリンクしているからです。
NG①「給料・残業・休み」の話しかしない


労働条件は重要です。
生活がかかっていますから、確認すること自体は悪くありません。
しかし、面接の序盤や逆質問の第一声で



「残業はどのくらいですか?」
「有給はすぐ取れますか?」
と聞いてしまうのはNGです。
臨床で言えば、患者さんの治療ゴールよりも「私が何時に帰れるか」を優先して業務を回すスタッフのようなものです。
NG②「ホームページを見ればわかること」を聞く



「御院の理念は何ですか?」
「どのような疾患の患者さんが多いですか?」
一見、熱心な質問に見えますが、これらはすべて病院のホームページに載っている情報です。
臨床に置き換えてみてください。
カルテやサマリーを一切読まずに、患者さんのところへ行き、「ご病気は何ですか?」「手術はいつしたんですか?」と聞くセラピストを信用できますか?
事前の情報収集、プロとして最低限のマナーであり、リスク管理です。
NG③ 退職理由が「他責(環境のせい)」である





「前の職場は上司のパワハラがひどくて…」
「教育体制が整っていなくて、成長できないと思ったので…」
その気持ちは痛いほど分かります。
しかし、面接でネガティブな退職理由をそのまま伝えてはいけません。
面接官は事実確認ができないため、「この人は嫌なことがあると、他人のせいにして逃げるタイプかもしれない」と警戒します。
また、「うちの職場に来ても、結局また不満を持って辞めるのではないか?」というリスクを感じさせます。
ネガティブな理由は、必ずポジティブな意欲に変換して伝えてください。
- 「教育体制が悪かった」
- 「より専門的な知識を深め、主体的に学べる環境で成長したいと考えました」
- 「人間関係が悪かった」
- 「チーム医療を重視し、多職種と密に連携できる環境で患者さんに貢献したいと考えました」
採用を勝ち取る「逆質問」の極意と例文集
面接の最後、必ずと言っていいほど聞かれる「何か質問はありますか?」という言葉。
これは、単なる親切心ではありません。
「あなたにどれだけの熱意とリサーチ能力(仮説検証能力)があるか」を試す最終テストです。
ここで何を発言するかによって、あなたの評価は「採用」にも「不採用」にも転びます。


「特にありません」は死亡フラグ
最も避けるべき回答、それは「特にありません」です。
これを言った瞬間、採用担当者はこう判断します。



「うちの病院に興味がないんだな」
「言われたことしかやらない、受動的なスタッフになりそうだな」
「臨床でも、疑問を持たずに漫然とリハビリをするタイプだろう」
質問がないということは、思考停止と同じです。
どれだけ面接の途中経過が良くても、最後がこれで終われば、印象は最悪になります。
必ず最低でも2つは質問を用意しておきましょう。
【攻めの質問】やる気と即戦力をアピールするキラーフレーズ
「攻めの質問」とは、自分を「病院の課題を解決する人材」として売り込むための質問です。
管理職は常に「現場の課題」に頭を悩ませています。



寄り添う姿勢を見せることで、「この人はは視座が高い」と評価されます
- 例文①:組織の課題を聞く



「御院のリハビリテーション科が、現在抱えている課題や、今後力を入れていきたい分野は何でしょうか?」
-
組織の方向性を理解しようとする姿勢を示せます。
「その課題に対して、私は〇〇の経験で貢献できます」と、自己PRに繋げることも可能です。
- 例文②:入職までの準備を聞く



「もし採用いただけた場合、入職までに勉強しておくべき分野や、読んでおくべき資料はありますか?」
-
「やる気」と「即戦力への意欲」をアピールできます。
「内定をもらうこと」がゴールではなく、「活躍すること」を見据えている姿勢は、管理職に強く刺さります。
鋭い逆質問ができても、提出した履歴書の「志望動機」と矛盾していては逆効果です。
「なぜその質問をするのか?」という背景が、あなたのキャリアビジョンと一致しているか、今一度確認してください。
【守りの質問】ブラック職場を回避する「教育体制」の聞き方


「守りの質問」とは、「入職後に、思っていた職場と違った」を防ぐための確認です。
特に「教育体制」は気になるところですが、聞き方を間違えると「教えてもらって当たり前の受け身な人」と思われてしまいます。
- 例文①:勉強会の実態を探る



「私はスキルアップのために積極的に学びたいと考えているのですが、科内での勉強会や症例検討会は、どのような頻度や形式で行われていますか?」
-
単に「勉強会はありますか?」と聞くのではなく、「学びたい」という意思をみせることで、意欲的な姿勢に見せつつ、ブラックな強制参加がないか、あるいは放置プレイでないかを確認できます。
逆質問でどれだけ良い回答が返ってきても、それはあくまで「面接用の建前」かもしれません。
ブラック職場か見抜くためのポイントはこちらの記事をご覧ください。


緊張で頭が真っ白になる人へ!事前の「模擬面接」が最強の対策


「頭では分かっていても、本番になると緊張して言葉が出てこない…」
そんな真面目な人ほど、一人で黙々と台本を覚えようとしますが、それは逆効果です。
バイザー(指導者)相手に模擬練習(ロールプレイ)をせずに、いきなり患者さんの前に立ってうまくいったでしょうか?
自分ひとりで練習してはいけない理由
自分ひとりでの練習には、致命的な欠点があります。
それは、「自分の表情や話し方の癖に気づけないこと」です。
- 話している時の視線:
- 泳いでいませんか?
- 話すスピード:
- 早口になっていませんか?
- 表情:
- 真剣なあまり、怖い顔(怒っているような顔)になっていませんか?
これらは自分では絶対に気づけません。
転職エージェントを「練習相手」として使い倒せ
誰に練習相手になってもらうべきか?
家族や友人でも良いですが、ベストなのは「転職エージェント」です。
- 「あそこのリハビリ科長は、ハキハキした体育会系が好きですよ」
- 「あの病院は、学術的なことよりも協調性を重視します」
求人票には載っていない「攻略情報」を持っています。
転職エージェントを使うことは、合格率を飛躍的に高める「カンニングペーパー」のような裏技です。
まとめ
この記事では、採用担当者の視点から「面接の合否を分けるポイント」を解説してきました。
厳しいことも書きましたが、私が伝えたかったのはたった一つ。
「面接を、特別なテストだと思わないでほしい」ということです。
- 相手(病院)を知ること = カルテからの情報収集
- 相手の問いに的確に答えること = 患者さんとの問診
- 身だしなみを整えること = リスク管理
- 逆質問をすること = 治療プラン(解決策)の提案
あなたが普段、臨床で患者さんのために一生懸命やっていることを、そのまま面接官相手にやればいいのです。
「落ちたらどうしよう」と不安になるのは、準備が足りていないからです。
徹底的にリサーチし、逆質問という武器を磨き、模擬面接でシミュレーションを行えば、不安は自信に変わります。
あなたの新しいキャリアが、素晴らしいものになることを応援しています。








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