「理学療法士 転職 志望動機 」 「自己PRの書き方は?」
あなたは今、履歴書を前に、インターネットで「例文」を検索していませんか?
PTLab運営そのよくできた志望動機、その無難な自己PRこそが、あなたが「不採用」になる本質的な理由かもしれません。
この記事では、管理職の視点 から、「不採用」になる書き方とその「本質的な共通点」、そして面接官を唸らせる「必勝の“型”(テンプレート)」をお伝えします。
この記事を読み終えた時、あなたは「文章の上手さ」で勝負するのではなく、あなたの「臨床理念(軸)」に基づいた、誰にも真似できない「必勝の応募書類」が作れるようになります。
面接官が求めているのは「文章力」ではなく、あなたの「強み(自己PR)」と「ここで働きたい理由(志望動機)」の「一貫性」 です。


【面接官の本音】不採用につながる「志望動機・自己PR」ワースト3


あなたが「例文」 を参考に一生懸命書いたその文章、面接官には「またこのパターンか」と、軸のなさが見抜かれてしまいます。
以下の3つの「書き方」 は、あなたの本質が伝わらず、不採用 につながる可能性が極めて高いワースト3です。
「理念に共感」型(=あなたの軸が見えない)


貴院の『患者様第一主義』という理念に深く共感し、志望いたしました。
私も患者様に寄り添う医療を提供したいと考えております。
理念への共感 は、応募の「前提」です。
…で? あなたは「何」がしたいのですか?
面接官が知りたいのは、その「理念」の上で、あなたの「臨床理念(軸)」 と「強み(自己PR)」 をどう発揮してくれるのか、です。
これでは「誰でも言えること」 であり、あなたが「不採用」となる共通点の一つです。



自己PRになっていないんです
「学ばせてください」型(=テイカーは不要)


貴院は〇〇(例:急性期)の最先端であり、ぜひ一から勉強させていただきたいと思い、志望いたしました。
ここは「学校」ではありません。
もちろん教育体制は整えますが、「給与を払って」プロフェッショナルを雇います。
「勉強させてください」 という姿勢の人に、組織への「貢献」 を期待できるでしょうか?
スキルが未熟でも構いません。



面接官が評価するのは、学習意欲を組織への貢献に変えようとする「意志」です。
「スキル羅列」型(=一貫性がない)


自己PRとして、私は〇〇(例:呼吸器)の経験があります。
また、前職では△△(例:訪問リハ)も担当し、××(例:学会発表)も行いました」
「すごいですね」と。
…で? その素晴らしいスキルの羅列 が、なぜ「当院」で活かせるのですか?



自己PRと志望動機が完全に分離しています。
あなたの強みが、当院の理念や求める人材像とどう結びつくのか、その「一貫性」 が全く見えません。
これは「履歴書」の丸写しであり、「志望動機」ではないと判断されます。
面接官が3秒で見抜く「不採用」の理由 = 「軸」と「一貫性」の欠如
なぜ、先ほど挙げたワースト3(理念共感型、学ばせて型、スキル羅列型) は、面接官の心に響かないのでしょうか。
その理由は、あなたが「文章が下手」だからではありません。
「あなたの臨床理念(軸)」 が欠如しているからであり、その結果として「一貫性」が失われてしまっているからです。
それがどういう意味なのか、詳しく解説していきます。
「志望動機」と「自己PR」が別物になっていないか?


不採用になる人の履歴書は、ほぼ例外なく「志望動機」と「自己PR」が“別物”になっています。
- 自己PR: 「私はこれまで〇〇を頑張りました」(=過去の話)
- 志望動機: 「貴院で〇〇を学びたいです」(=未来の話)
これでは、「過去」と「未来」が分断されています。



面接官には、「その場しのぎで書いている」 ようにしか見えません。
面接官が知りたいのは、「あなたの過去の強み(自己PR)を、未来(当院)でどう活かしてくれるのか(志望動機)」という「一貫したストーリー」 なのです。
一貫性がない応募者は、「ウチ(当院)じゃなくても、他でも同じことを言っているんだろうな」と判断され、不採用のリストに入ってしまいます。
全ての根源は「自己分析(臨床理念)」の欠如にある
では、なぜ「一貫性」 がなくなってしまうのか。
その本質は、あなた自身の「臨床理念(軸)」 が定まっていないからです。
- 「軸」とは、あなたの理学療法士としての「背骨」です。
-
- 「自己PR(=過去)」とは、その「背骨」から生えてきた「強み」の話です。
- 「志望動機(=未来)」とは、その「背骨」の先にある「理念の実現」の話です。
「軸」が一本通っていれば、「自己PR」と「志望動機」は、必ず「一貫性」 を持ちます。
しかし、自分の「軸」がないから、「理念に共感」 といった他人の軸に頼るしかなく、自分の「軸」がないから、「自己PR 」と「志望動機」を繋ぐストーリーが作れないのです。
この「軸(=自己分析)の欠如」こそが、転職失敗の最大の原因です。
「転職失敗の本質」と「自己分析の方法」を、別の記事で徹底的に指導しています。
面接官を突破する「自己PR」必勝の“型”


「軸」と「一貫性」 の重要性は理解できましたか?
では、それをどう「自己PR」という“文章”に落とし込めばいいのか。
管理職が「この人は本質を理解している」と判断する、必勝の「型」 をお伝えします。
大前提:自己PR は「強みの証明」である


自己PRは「意気込み」の表明でも、「スキルの羅列」 でもありません。



自己PRとは、あなたの「強み」が、客観的な「事実(エビデンス)」によって“証明” されている文章のことです。
- 「コミュニケーション能力」が強みと言うなら、それによって「チームの何がどう改善したか」という「事実」が必要です。
- 「勉強熱心」 が強みと言うなら、それが「どう臨床に活かされたか」という「事実」が必要です。
「自己PR」の型(PREP法)


この「事実」に基づいた「強みの証明」 を、面接官に最も伝わりやすく構成するのが、この「型(PREP法)」です。
これは、以下の4つの要素で構成されます。
- P (Point): 結論(あなたの強みは何か)
- R (Reason): 理由(なぜそれが強みと言えるのか)
- E (Example): 具体例(その強みを発揮した客観的な事実・実績)
- P (Point): 結論(だから、その強みをどう“貢献” させられるか)
この「型」の心臓部は、E(具体例) です。
ここで「客観的な成果」を証明”できない自己PRは、ただの「意気込み」と判断されてしまいます。
「学ばせて型」を「貢献型」に変える
この「PREP法」 の型を使うと、先ほどワースト3で挙げた「学ばせてください型」 すら、強力な「貢献型」 の自己PRに変換できます。
貴院は〇〇の最先端であり、ぜひ一から勉強させていただきたいと思い、志望いたしました
- (P/結論)
- 私の強みは、目標達成に向けた『自走的な学習行動力』です。
- (R/理由)
- なぜなら、現職では急性期リハに関する体系的な教育プログラムが不足していました。
- (E/貢献)
- だからこそ、私は自ら週末に〇〇の外部セミナーに毎月参加し、学んだ内容をレポートにまとめて病棟の勉強会で自主的に共有しました。結果、私が所属するチームのヒヤリハット(インシデント)は、前年比でX%減少しました。
- (P/結論)
- スキル(知識)はまだ未熟です。しかし、貴院の最先端の教育プログラム(△△)をスポンジのように吸収し、この『自走的な学習行動力』を活かして、1日でも早く貴院の戦力として貢献します。



「自己PR」と「志望動機」の一貫性が、合否の9割を決めます
面接対策:履歴書で満足するな


必勝の“型” を使い、完璧な履歴書が完成しました。
しかし、ここで満足してはいけません。
本当の勝負は「面接」です。
なぜなら、面接とは「その書類が、“本物”かどうか」を見極める最終試験だからです。
面接官は「履歴書の裏付け」を質問する


AIやネットの「例文」 が溢れている現代において、綺麗すぎる応募書類ほど、「これは本人から出た言葉か?」と疑ってしまいます。
あなたが「軸」 もなく、型だけを真似した場合、この「深掘り調査」に答えられず、「不採用」 となってしまいます。
必ず聞かれる質問:「なぜ、うち(当院)なのですか?」


これは、「理念に共感」 だけで終わる人をふるい落とすための、本質的な質問です。
はい、貴院の〇〇という理念に共感したからです(…書類と同じことの繰り返しで、止まる)
これでは「不採用」 です。
これでは、書類に書いたことの「オウム返し」 です。



面接官がが聞きたいのは「理念」ではなく、「“なぜ”その理念を選んだのか」という、あなたの「プロセス(=軸)」です。
「熱意」も「軸」 も「本気度」も何一つ伝わりません。
では、以下の回答はどうでしょうか。
私の臨床理念は『〇〇』です。
もちろん、△△という理念を掲げるA病院も検討しました。
しかし、A病院の強みは『急性期』であり、私の軸である『〇〇』を実現するには、貴院の『××』という具体的な事業こそが、私の軸を実現できる唯一の場所だと考えたからです。
特に、貴院の『××』という取り組みに対し、私が自己PR で述べた『〇〇』という強みを活かして…(と、自分の言葉で“深掘りできる)
これなら「採用」です。
これは、あなたが「自分の軸」に基づいて本気で職場を選んでいるという、何よりの「裏付け」 となります。
「理念」だけでなく「具体的な事業」まで言及できれば、説得力は完璧です。
必ず聞かれる質問:「あなたの強みを、どう活かせますか?」


これは、「自己PR」と「志望動機」の一貫性を最終確認する質問です。
はい、私の強みは『学習意欲』です。現職では〇〇を学びました。
これでは「不採用(NG)」 です。
これは、「自己PR」と「志望動機」が分断されている典型例です。
私の強みである『学習行動力』を、貴院の『〇〇』という事業でこのように活かせます。
具体的には、私が前職でインシデントをX%削減した際のマニュアル作成経験は、貴院の『〇〇』におけるリスク管理マニュアルの作成にそのまま応用できると考えています。
まずは私がその土台作りを率先して行うことで、チームの安全な業務遂行に貢献できます。
これなら「採用」です。
面接官は、この回答を聞いて初めて「あぁ、この人は即戦力として貢献してくれそうだ」と、具体的なイメージを抱き、採用に傾くのです。
まとめ
ここまで、面接官の視点から、「不採用」 になる“書き方” の本質と、それを突破する「必勝の型」 を徹底的に解説してきました。
なぜ、ここまで「一貫性」 や「軸」 にこだわるのか?
管理職が採用したいのは、 「文章が上手いPT」や「無難なPT」ではなく、
明確な臨床理念を持ち、その実現のために自責で行動できるPT
ただ、それだけだからです。
この記事で学んだ「PREP法」 や「志望動機の型」 は、あなたの軸”を我々に伝えるための器に過ぎません。
どれほど立派な器を用意しても、そこにあなたの「臨床理念」 という魂が入っていなければ、面接での「他院との比較は?」「具体的にどう貢献する?」という「深掘り調査」 には絶対に耐えられません。
「例文」 を探すのは、もう終わりです。
面接官(私)の心を本当に動かすのは、ネットに落ちている誰かの言葉ではありません。
あなたの「臨床理念」 から生まれた、あなた自身の「言葉」こそが、最強の武器なのです。








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