「勉強についていけない」「臨床と学校のギャップが辛い」「こんな職場で3年も我慢すべきか…」
1年目・2年目のあなた、「辞めたい」と本気で悩んでいませんか?
しかし同時に、「今辞めるのは逃げではないか?」「スキルもないのに、次の職場で通用するのか?」 という強い罪悪感と不安で、動けなくなっていませんか。
私が理学療法士として管理職を務め、早期離職者(成功例・失敗例)を見てきた私が断言します。
この記事では、転職サイトは語らない「辞めてOK」「3年我慢しろ」 の無責任な話でも精神論でもありません。
あなたが辞めるべきか否かを判断する「明確な判断軸」と、1年目の転職者に何を求めているかを徹底的に解説します。
この記事を読み終えた時、自分のキャリアに自信を持って「続ける」か「辞める」かを戦略的に決断できます。
その境界線は、あなたの「他責」か「自責」か、すなわち「自己分析(軸)」にあるのです。
- 面接官が「採用したい1年目」と「不採用にする1年目」の決定的な違い
- 今の職場が「今すぐ辞めるべき職場」かどうかの見極め方
- 1年目・2年目でも通用する「自己PR 」の作り方(スキルなしでもOK)
- 「逃げの転職」 ではなく「戦略の転職」にするための具体的な行動プラン
【面接官の視点】1年目・2年目の転職者を面接する時の“本音”

あなたが最も不安に思っている「1年目や2年目で辞めたヤツ、なんて採用されないだろう」という“罪悪感” について、管理職・面接官としての「本音」 からお話しします。
「早期離職」という経歴自体は「即不採用」ではない
結論から言います。
「1年目(2年目)で転職」という経歴(事実)だけを見て、即不採用にすることはありません。
面接官である私たちが知りたいのは、「なぜ辞めたか」という事実ではなく、「なぜ辞めるに至ったか、そのプロセスをどう分析しているか」というあなたの考え方です。
スキルや経験が浅いのは当たり前。
私たちは、1年目のあなたに即戦力としての技術など期待していません。
PTLab運営私が見ているのは、その「思考」が“逃げ”なのか“戦略”なのか、ただ一点です。
「採用したい」と感じる1年目(=戦略的転職)


面接で「この人は採用したい」 と感じる1年目・2年目には、明確な共通点があります。
それは、“自責”の思考 ができていることです。
- 【面接官が採用したOK例】
-
「現職では、教育担当(プリセプター)がおらず、ほぼ放置状態でした。
しかし、それを環境のせい(他責)にするだけでは成長できないと考え、自分なりに学会に参加し、先輩の臨床を見学するなど、能動的に動いてきました。(←自責の行動)
ですが、やはり体系的な指導(教育体制)がない環境では、自分の理想とする『患者を救う』という臨床理念(軸)の実現に時間がかかりすぎると判断しました。
そこで、貴院の『△△』という教育システム(理念)の元で、自分の学習意欲を最大限に活かし、一日も早く戦力になりたいと考え、戦略的に転職(応募)を決意しました」
現職への不満(他責)からスタートしつつも、それを解決するために「自分が何をしたか(自責)」を分析し、「自分の軸(理念)」と照らし合わせて「転職」という戦略を選んでいるのです。
「不採用」になりやすい1年目(=逃げの転職)


「この人は採用しても、また同じ理由で辞めるな」 と感じるPTは、「他責の思考」 のまま面接に来ています。
- 【面接官が見たNG例】

PTLab運営

なぜ1年で辞めたのですか?



はい、教育体制が全く整っておらず、先輩も教えてくれない、残業も多くて…。(←全て他責)
これ以上いても成長できないと思ったので、辞めました。
次は教育体制がしっかりしたところで、基礎から学びたいです。
一見、まともに聞こえます。
しかし、面接官の頭には「?」が浮かびます。
- 教育体制がないのは分かったが、その環境であなた自身は何をしたの?
- 先輩が教えてくれないなら、自分から「教えてください」とお願いしたの?
- 成長できないと他人のせいにしているけど、臨床以外の自己学習はしたの?
不満の原因をすべて「他人」や「環境」に押し付け、自分自身がどう行動したかの「分析」が一切ない。
これが逃げの転職です。
辞めたい理由は“逃げ”か“戦略”か?
あなたの「辞めたい理由」が“逃げ”なのか“戦略”なのか。
それは、「原因が自分にあるか、環境にあるか」、「その環境が、個人の努力で変えられるものか」で見極めます。
管理職の視点から、「今すぐ辞める(転職する)べき“戦略的”な理由」と、「辞める前にまず“自己変革”すべき逃げの理由」を明確に仕分けします。
今すぐ辞めるべき「戦略的な理由」(=個人の努力で変えられない環境要因)


以下の項目に1つでも当てはまる場合、それはあなたの逃げではありません。
あなたの心身やキャリアを守るための、正当な「戦略的転職」 です。
- チェック1:病院(施設)の「臨床理念」が、自分の軸と根本的に合致しない
- 自分は「じっくり患者と向き合いたい」のに、病院の方針が「短時間・マニュアル通りの介入」で利益を追求するもので、変える余地がない
- チェック2:パワハラや違法残業など、心身の安全が脅かされている
- 上司からの人格否定が常態化している、サービス残業が月80時間を超えているなど、明らかに労働基準法に抵触している
- チェック3:教育体制が「皆無」であり、数ヶ月間完全に放置されている
- 「体制が不十分」なのではなく、「プリセプター(教育担当) が存在しない」「入職以来、一度も症例相談(フィードバック)を受けていない」など、指導する気がない職場
- チェック4:組織的な不正(例:単位数の不正請求など)が常態化している
- 理学療法士としての倫理観に関わる問題であり、あなたが加担する必要は一切ありません
辞めるべきでない「逃げの理由」(=個人の努力で変えられる自己要因)


もしあなたの「辞めたい理由」が以下に当てはまるなら、それは“逃げ”である可能性が高いです。
この状態で転職しても、次の職場で必ず同じ壁にぶつかります。
- チェック1:「勉強についていけない」(=勉強の「仕方」を工夫していない)
- 学校と臨床のギャップに悩むのは全員同じです。「勉強の仕方が分からない」 のであれば、辞める前に、まずは勉強の「やり方」を学ぶ努力をすべきです。
- チェック2:「患者様の改善ができない」(=臨床推論(SOAP)の努力不足)
- 1年目から完璧に結果を出せるPTはいません。結果が出ないことを「先輩が教えてくれないから」と他責にする前に、自分自身でSOAPを書き、1症例でも深く考察する努力をしましたか?
- チェック3:「人間関係が合わない」(=どの職場にもあるレベルの問題)
- パワハラ までいかない「なんとなく上司が怖い」「同期と合わない」というレベルの問題は、残念ながらどの職場にも存在します。これは転職理由の「軸」にはなりません。
理由が「勉強不足」なら、まずこの記事を読め
もし、あなたの辞めたい理由が、「逃げの理由」である「勉強についていけない」、「患者様が改善できない」という点にあるならば、転職はまだ早いです。
それは「環境」の問題ではなく、あなたの「学習戦略」の問題だからです。
当ブログでは、新人PTに指導してきた「臨床での勉強法」を、別の記事で徹底的に指導しています。
辞めるという決断を下す前に、まずはこの記事を読み、あと1ヶ月だけ本気で「勉強の仕方」を変えてみてください。


1年目・2年目の転職を「戦略」に変えるための自己分析


「今すぐ辞めるべき」と判断した場合、あなたは“逃げ”の転職者ではありません。
しかし、面接官 を納得させるには、その「戦略」を言語化する必要があります。
スキルや経験が浅い1年目・2年目だからこそ、必要なのは「技術」ではなく「思考の深さ」です。
「他責」を「自責」に変える思考法


面接官が最も嫌うのは「他責」 です。
「教育体制が悪かった」「人間関係が最悪だった」と不満を並べるだけでは、「逃げてきたんだな」と判断されます。
あなたの「辞めたい理由」を「他責」から「自責」に変換する思考法をお伝えします。
- NG例
-
- 「教育体制が最悪で、何も学べなかった」
- 「上司がパワハラ気質で、雰囲気が悪かった」
- OK例
-
- 「教育体制が未整備な環境でした。その中で、私は『〇〇』という技術を学びたいと強く願っていましたが、独学では限界があると痛感しました。
だからこそ、次は『〇〇』の指導に強みを持つ貴院で学びたいのです」 - 「(仮にパワハラが事実でも)上司の指導法が私の価値観と合わない点がありました。組織の風土を変える努力も試みましたが、難しく…。
だからこそ、次は『チーム医療』や『〇〇』という理念を掲げる貴院で、ポジティブに貢献したいのです」
- 「教育体制が未整備な環境でした。その中で、私は『〇〇』という技術を学びたいと強く願っていましたが、独学では限界があると痛感しました。
大事なのは、「だからこそ」です。
不満を述べた後、「だからこそ、自分はどう考え、どう行動したいのか」という未来志向の分析を加えることで、“逃げ”は“戦略”に変わります。
1年目でも書ける「自己PR」の作り方


「1年目・2年目にはアピールできる実績(スキル)がない」 当然です。
面接官もそんなものは期待していません。



1年目の「自己PR」は、「実績」ではなく「ポテンシャル(学習意欲と行動)」をアピールするのです。
- 結論(学習意欲):
- 「私の強みは、目標達成に向けた学習意欲と、それを継続できる行動力です」
- 具体例(現職での“自責”の行動):
- 「現職では教育体制が十分ではありませんでした(←他責ではない、事実の提示)。だからこそ、私は自主的に〇〇(例:週末の勉強会、学会)に参加し、学んだ内容をレポートにまとめ、週に一度、先輩(または同期)と共有する場を設けていました」
- 貢献(未来):
- 「スキルはまだ未熟です。しかし、この『自ら学び、行動する姿勢』は誰にも負けません。貴院の充実した教育プログラム(←志望動機と繋げる)をスポンジのように吸収し、1日でも早く戦力になります」
実績ゼロでも構いません。
環境のせいにせず、その環境下で「あなたなりに、どんな自責の行動を起こしたか」 こそが、面接官が最も評価する「自己PR」 です。
面接官を納得させる「志望動機」のロジック


1年目・2年目の転職面接は、「早期離職」というネガティブな事実を、どう「戦略的な志望動機」 に転換するかの戦いです。
以下のロジックを厳守してください。
- P (Point/結論):
- 「早期離職となった事実は、私自身の分析不足(=新卒時の軸のなさ)が原因であったと反省しています」(←まず潔く非を認める)
- R (Reason/理由):
- 「しかし、現職の『〇〇(例:利益優先の理念)』では、私の臨床理念を実現できないと、1年間(自責で)行動した結果、明確になりました」(←逃げではなく“分析の結果”だと強調)
- E (Example/具体例):
- 「そこで、改めて自己分析をした結果、貴院が掲げる『△△』という理念こそが、私の臨床理念を実現できる唯一の場所だと確信しました」(←自己分析)
- P (Point/結論):
- 「私の強みである『学習意欲』を活かし、貴院でこそ長期的に貢献したく、志望いたしました」
このような説明であれば、面接官は「早期離職をしたが、それを糧に自己分析を深め、明確な“軸”を持ってウチを選んだな」と納得します。
1年目は「軸」を作る期間。辞めるも戦略、残るも戦略。
ここまで、1年目・2年目の転職について、管理職の視点 から「“逃げ”と“戦略”の境界線」を具体的に説明してきました。
境界線は、あなたの「思考」が“他責”か“自責”か、ただそれだけです。
- “逃げ”とは、「環境が悪い」「教えてくれない」と他責にし、思考停止すること。
- “戦略”とは、環境を分析し、「自分の軸(理念)とは合わない」と自責(=自己分析)で判断し、行動すること。
もしあなたが、今回指導した「自己分析」をせず、「“逃げ”の思考(他責)」のまま転職活動に踏み切ったら、必ず転職に失敗し、後悔します。
なぜなら、あなたの「軸」がないからです。
軸がないままでは、次の職場でも「給与」や「人間関係」といった表面的な条件 に振り回され、また同じ理由で「辞めたい」と悩むことになります。
当ブログでは、その「転職失敗の本質」についても、主任・面接官の視点から徹底的に指導しています。
“戦略的”な転職を決意したあなたは、武器を手に入れるため、必ずこの記事も読んでください。


まとめ
1年目・2年目は、理学療法士としての「軸」を作る最も重要な期間です。
- 「勉強についていけない」と悩むなら、それは「軸」を確立するチャンスです。
- 「辞めたい」と悩むなら、それは「自分の軸は何か」と本気で向き合うチャンスです。
残るも戦略、辞めるも戦略。
どちらを選んでも、それがあなた自身の「自己分析」に基づいた“戦略的”な決断であれば、罪悪感を感じる必要はありません。
この記事で学んだ「判断軸」と「自己分析法」を武器に、“あなたのキャリアの次の一歩を踏み出してください。

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